合否を分けた問題に対して、正答できるようになるためには、どのような国試対策が有効なのでしょうか。第107回の合否を分けた問題を例に挙げながら、弊社の国家試験問題解説集『クエスチョン・バンク看護師国家試験問題解説』で周辺知識をおさえる学習方法を紹介します。
「【第107回看護師国試を振り返る】part6 第107回の合否を分けた問題」も合わせてご覧ください
 

午前68番 消化と吸収

★正答率
合格者:79.2%  不合格者:35.65%

≪差≫43.6%

 
【問】
小腸で消化吸収される栄養素のうち、胸管を通って輸送されるのはどれか。
 
1.糖質
2.蛋白質
3.電解質
4.中性脂肪
5.水溶性ビタミン

正解:4

 

実はこの問題は、『クエスチョン・バンク』に掲載されている問題の解説を理解していれば正答できる問題でした。実際にみてみましょう。

 

第104回午前26番
胸管で正しいのはどれか。
1.弁がない。       2.静脈角に合流する。
3.癌細胞は流入しない。  4.主に蛋白質を輸送する。

正解:2

 


解説

  1. ×胸管を含めて、リンパ管は弁を有する。
  2. ○胸管には、下半身および左上半身からのリンパ管が合流し、左リンパ本幹を経て左静脈角に合流する。一方、右静脈角には右上半身からのリンパ管が右リンパ本幹を経て合流する。
  3. ×がん細胞はしばしばリンパ管を経由して転移する。このため、リンパ行性転移やリンパ節腫脹などが生じる。
  4. ×胸管が主に輸送するのは脂質である。腸管で吸収された脂質がリンパ管に入り乳び色という白濁をおびる。その後、胸管を通り静脈に運搬される。

 

不正解である選択肢4の解説を理解できていれば、今回の午前68番は正答できることがわかります。正解選択肢だけでなく、不正解選択肢の解説まで理解する大切さがイメージできたでしょうか。それでは次の事例をみていきましょう。

 

午後92番 換気機能検査

★正答率
合格者:85.6%  不合格者:42.8%

≪差≫42.8%

 
【問】
Aさん(62歳、男性)。1人暮らし。1週前から感冒様症状があり様子をみていたが、呼吸困難と咳嗽が増強したため外来を受診した。胸部エックス線写真と胸部CTによって特発性肺線維症による間質性肺炎と診断され入院した。
既往歴:42歳で糖尿病と診断された。59歳と61歳で肺炎に罹患した。
生活歴:3年前から禁煙している(20 ~ 59歳は20本/日)。
身体所見:BMI 17.6.体温38.8℃,呼吸数30/分,脈拍112/分,血圧140/98mmHg,経皮的動脈血酸素飽和度〈SpO2〉91%.両側下肺野を中心に、吸気終末時に捻髪音あり。呼気時は問題ないが、吸気時に深く息が吸えない。ばち状指を認める。
検査所見:血液検査データは、白血球13,000/μL、Hb10.5g/dL、総蛋白5.2g/dL、アルブミン2.5g/dL、随時血糖85mg/dL、CRP 13.2mg/dL.動脈血液ガス分析で、pH7.35、動脈血二酸化炭素分圧〈PaCO2〉38Torr、動脈血酸素分圧〈PaO2〉56Torr.胸部エックス線写真と胸部CTで、下肺野を中心に輪状影、網状影、淡い陰影あり。
Aさんは入院後に呼吸機能検査を受けることになった。換気障害の分類を図に示す。
Aさんの呼吸機能検査の結果で考えられるのはどれか。

1.A
2.B
3.C
4.D

正解:1

 

こちらは、『クエスチョン・バンク』に掲載している以下の問題【基本事項】の内容で答えられる問題でした。【基本事項】には、問題のテーマに関する包括的な知識がまとめられているので、プール問題はもちろん、異なる問われ方をされても正答できる知識が身につきます。

 

第102回午後48番
スパイロメトリーの結果による換気機能診断図を示す。

閉塞性換気障害と診断される分類はどれか。
1.A  2.B  3.C  4.D
 


基本事項

▼換気機能診断図

図の左上の部分が問われていました。

 

このように、不正解選択肢の解説や【基本事項】から得られる関連知識を身につけることによって、発展的な内容の問題への対応力が身につきます。平成30年の出題基準の改定によって、さまざまな知識を統合して解答する問題がますます増えることが予想されますが、このような複合問題に立ち向かうために、関連知識をより多く効率的に学ぶことができる過去問題集『クエスチョン・バンク』で対策・指導されることをオススメします。

 

不合格にならないための勉強法まとめ

  1. 不合格にならないためには受験生の多くが正答できる問題を落とさないことが重要である。
  2. 合否を分ける問題は、過去にすでに問われていることがほとんどである。
  3. したがって合否を分ける問題を確実に正答するためには、過去問題集を使って関連知識を学んでいくことが重要である

結論

第107回では、新出題基準の影響で複数の知識を統合して回答する問題が多数出題され、合否を分けた問題になりました。また、この出題傾向は今後より一層顕著になっていくと思われます。得点力を上げるためにも不正解選択肢の丁寧な解説や関連知識がまとまっている過去問題集『クエスチョン・バンク』での対策が有効といえます。