看みえ4立ち読み
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●不安に関連した不眠●現状への脅威に関連した不安●肥満に関連した術後回復遅延リスク状態●肥満に関連した手術部位感染リスク状態●呼吸器合併症のリスク●深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスク#1 現状への脅威に関連した不安#2 不安に関連した不眠#3 呼吸器合併症のリスク#4 肥満に関連した手術部位感染リスク状態#5 深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスク#6 肥満に関連した術後回復遅延リスク状態優先度低※#4と#5の優先度は同程度である.●上記の優先順位は,入院1日目におけるものであり,Aさんの経過に応じて変化する.現時点では優先度が低いリスク事例②凡例高低高 ストーマを造設する直腸癌患者の看護過程Aさんの看護診断(入院1日目)Aさんの看護診断と協働問題の優先順位■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■「感染」や「呼吸器合併症」,「深部静脈血栓症・肺塞栓症」を生じると,生命を脅かす危険性がありますが,これらが生じるおそれがあるのは術後であり,入院1日目の時点で生命を脅かしている問題ではありません.「#不眠」と「#不安」は,現在,苦痛をもたらしている問題であり,現時点で介入が必要であるため,優先度が高いです.現時点(入院1日目)不眠不安術後回復遅延リスク状態手術部位感染リスク状態呼吸器合併症のリスク深部静脈血栓症・肺塞栓症のリスク問題が生じる(おそれのある)時期※Aさんにはないが,現時点から問題が生じるおそれがあるリスク型問題もある.リスク型問題のうち,現時点で介入が必要な問題を考えると,呼吸訓練などで入院早期から介入が可能な「#呼吸器合併症のリスク」が優先されます.他のリスク型問題は,清潔ケアや弾性ストッキング着用など術直前からの介入になります.りはなく,様々な考え方〔p.129〕がある.その一例を次に示す.型問題が,術後には生命維持に関わる優先度の高い問題になることもある.手術入院1日目のAさんの看護診断および協働問題優先順位の考え方(例)①現在,生命の維持に関わる問題はどれか不眠現在,生命の維持に関わる優先度の高い問題はない②現在,苦痛をもたらしている問題はどれか不眠苦痛をもたらしている問題の優先度は高い③不眠と不安は,不眠どちらが優先されるか不眠の原因になっている不安が優先される④残りのリスク型問題のうち,現在,介入が必要な問題はどれか不眠⑤残りのリスク型の問題のうち,どの問題が優先されるか不眠看護診断協働問題:問題焦点型看護診断:リスク型看護診断,リスク型の協働問題優先度優先順位不安回復遅延感染呼吸器血栓不安回復遅延感染呼吸器血栓不安回復遅延感染呼吸器血栓回復遅延不安感染呼吸器血栓現在,介入が可能な問題が優先される回復遅延不安感染呼吸器血栓生命の維持に関わる問題が優先される329■優先順位の決定●Aさんの看護診断が確定したら,看護診断および協働問題のなかで優先順位をつける.優先順位のつけ方に明確な決ま

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