看3-1版_WEB立ち読み
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*なぜなら速度が速いと正確な値が読み取れず,速度が遅いとうっ血を引き起こし,患者さんに苦痛を与える場合があるからである.*なぜなら聴診間隙が生じている可能性があるためである.豆知識●最初にコロトコフ音が聴こえたところを収縮期血圧と●さらに排気を続け,コロトコフ音が聴こえなくなった●そのまま10〜20mmHg減圧し,コロトコフ音が再開しないことを確認*してから送気球の排気バルブを速やかに全開放する.測定値は,圧力計に対して真正面から読み取るようにしましょう.甲状腺機能亢進症〔病③p.244〕,貧血,妊婦,運動後,大動脈弁閉鎖不全症〔病②p.208〕ではコロトコフ音が0mmHgまで聴こえることがあります.この場合スワン第4点〔p.67〕を拡張期血圧とします.コロトコフ音が聴き取りづらい場合は再度測定を行いますが,その際,加圧後に手の掌握運動を5〜10回ほど行ってもらい,静脈の還流を促すとよいでしょう.収縮期血圧と拡張期血圧の間でコロトコフ音が一時的に聴こえなくなる現象.高血圧や動脈硬化のある患者さんにみられる.聴診間隙はコロトコフ第2相〔p.67〕で生じる場合が多いといわれています.この場合,再開したコロトコフ音が再び聴こえなくなったところが正しい拡張期血圧となります.シーン…トットットットッシーン…音は再開しない聴診間隙し,そのときの目盛りを読み取る.ところを拡張期血圧とする.729減圧してコロトコフ音を聴取する●目盛りを見ながら送気球の排気バルブを母指と示指で挟んで,反時計回りにゆるめ,1拍または1秒ごとに1目盛り(2mmHg)程度の速さで*排気していく.

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