病院にて精神科専門医として勤務しながら，YouTubeにて『メンタルドクターSidow』として精神医学の情報を発信している大人気インフルエンサー.

そんなSidow先生に、学生の『国試に関するメンタル面でのお悩み』に答えていただきました！

一応問題集と参考書は買ったけど，国試なんてまだ先だと思いやる気が出ません．
やる気ってどうやったら出ますか？



多くの人が誤解をしていますが「やる気」は気持ちの問題ではなく，行動に伴って後からついてくるものです．
皆さんも朝起きて学校に行きたくない日も，支度を始めるとなんだかんだ通学できたという経験はありませんか？このように作業を始めると脳が活性化して自然にやる気が出てくる現象を「作業興奮」と呼びます．だから勉強のやる気が出ない方はこの作業興奮を意識的に使いましょう．大切なのは最初に取り組むハードルをできる限り低くすることです．勉強で言えば「簡単な参考書をパラパラ流し読みする」くらいから始めることがやる気の起爆剤になるでしょう．





勉強も毎日行っていて，模試もそこそこの点数を取れるのですが，合格できるか不安です．こんな時はどうしたらいいですか？



国家試験前はしっかり勉強をしていても合格するか不安だ，と感じる方は多いでしょう．
精神医学的には不安は「対象のない恐れの感情」と定義されています．つまり不安は「なんだかわからないけど心配」という状態と言えます．そのような時に大切なのはできるだけ漠然としている不安の内容を具体化することです．看護師国家試験の合格率は約90%前後なので，逆に言えば下位10%に入っていなければ不合格になることは稀です．模試や周りの学生と比べて自分の位置をしっかり把握して自分を信じて勉強を続ければ必ず合格につながるので安心しましょう！





平日は実習や卒論，休みの日は国試の勉強でいっぱいいっぱいです．コロナ禍であまり遊びにも行けません．
常に心に余裕がなくて病みそうです……



コロナ禍に入ってから自由に遊びにいくのが難しくなり，実習や学習のストレスをなかなか解消できない，と感じている学生さんは多いと思います．
特に国家試験のプレッシャーを抱えている学生さんはさらに負担を感じていることでしょう．そんな学生さん達に伝えたいのは，一日や一週間など決まった期間の中で自分がやりたいことと全力で向き合う時間を必ず確保する，ということです．多くの学生さんは勉強をして余った時間や余裕があるときに好きなことをしようと考えがちですがその場合は大抵うまくいきません．むしろ始めからやりたいことをやる時間を決めておいたほうが，残りの時間で勉強のスケジュールを立てる方が効率アップに繋がります．1日30分，週に何時間，などでもいいので自分を甘やかせる時間を作ってあげましょう．





勉強をはじめても，気づくとスマホをいじってしまい全く集中できません．10分以上机に向かっていられません！
どうしたら集中できますか？



受験勉強において集中力を妨げる最大の敵はなんと言ってもスマホです．
勉強が一区切りつく度についついスマホを眺めてしまい気づいたら時間が過ぎていたという経験は誰もがあるでしょう．実際に2017年にテキサス大学で行われた研究では電源のオンオフに関わらずスマホが目の前にあるだけで集中力や作業効率が低下する，という結果が出ています．つまり大切なのはスマホの通知や電源をOFFにするかではなく，そもそも手の届かない，見えないところにスマホを置いておくということです．勉強する場所には勉強道具だけ置いておき，休憩するときにスマホを取り出すというのが効率的に集中力を高めるコツです．
ただ，最近はスマホを利用した学習で勉強の効率を上げている方もいるので，他のアプリやSNSに目移りしない自信がある方は積極的にスマホを学習に取り入れて利用するのもいいでしょう．

未来のことは不確実に思えますが，結局のところ未来は現在という点が連なった延長線でしかありません．試験前は不安や緊張も強いと思いますが，今出来ることに取り組むことが望んだ未来に繋がるため，自分を信じて続けていれば必ずよい結果が出るでしょう．
頑張ってください！応援してます！



Sidow先生のYouTubeチャンネル「メンタルドクターSidow」では精神医学を中心に様々な情報を発信しています！ぜひ見てみてくださいね！