先輩の勉強法(Mさんの場合)
■勉強スケジュール
■教養科目
教養試験は範囲が膨大なので、まず、「①知能分野」の全科目を数問ずつ解いてみて、自分の苦手分野を認識し、その科目を参考書を使って重点的に対策しました。あまりの範囲の広さに不安になることもありましたが、解ける問題を1つでも増やしていくという意識で取り組みました。
【試験概要】
- 試験時間:2時間(48題中40題解答)
- 出題形式:一般教養についての5肢択一式問題
- 出題分野:
①知能分野(必須問題):文章理解(英文を含む)、判断推理、数的処理、資料解釈および空間把握
②知識分野(選択問題):人文科学、社会科学、自然科学、社会事情
【時間配分】
2時間で40題解答と聞くと、時間に余裕があるように感じるのですが、1問の比重が大きいので、時間的な余裕はほとんどありません 。自分の得意・不得意をわかったうえで、自分なりの時間配分を決めておくことが重要だと思います。
私の場合は、時間を計って過去問をひと通り解き、その時間を参考に、必須問題と選択問題をそれぞれ解く時間、見直しの時間を決めて試験に臨みました。
■専門科目
まず最初に、受験する自治体の過去問をダウンロードして3年分解き、問題形式や傾向をつかむようにしました。それから『QB保健師』を2周し、初見の内容については『RB保健師』や『QB保健師』を見ながらノートにまとめました。
同じ自治体を受験した先輩方から、「みんなが解ける問題は必ず自分も解けるようにすることが大切!」と言われていたので、基本的な内容は確実に覚えるようにしていました。
また、国家試験のような語群選択式問題だけでなく記述式問題も含まれるので、見て覚えるだけでなく、書いて覚えることも心がけていました。
『RB保健師』『QB保健師』は、以下の章を重点的に勉強しました。
- 3章[公衆衛生看護方法論Ⅱ(組織・集団・地域支援方法論)]
- 4章①[対象別公衆衛生看護活動論(母子・成人・高齢者保健活動)]
- 4章②[対象別公衆衛生看護活動論(精神・障害者・難病・感染症・歯科保健活動)]
- 8章(疫学)
- 9章(保健統計)
- 10章(保健医療福祉行政論)
【試験概要】
- 試験時間:1時間
- 出題形式:保健師として必要な専門的知識についての記述式問題、語群選択式問題
【時間配分】
問題数が少ないので、時間的な余裕は多少あると思います。しかし、記述式問題が何問含まれているのかはその年によって異なるため、記述式の問題数に左右されると思います。数年分の過去問を解き、自分がこの専門試験をだいたい何分で解けるのかを把握しておくことが重要だと思います。
■小論文
過去問を、ひたすら手で書いて練習しました。文字数が1,000字以上1,500字程度と意外と多いので、時間配分を決めて取り組んでいました。
私が小論文を書く際に心がけたポイントは、この3点です。
①最初と最後の主張の内容に齟齬がないか。
②自分の考えを書き始める前にテーマの実情や課題などの背景を書けているか。
③提示する考えが誰にでも理解できるように書けているか。
教員や同級生に添削をお願いしている人もいました。誰が読んでも伝わる文章になっているかどうかを、複数の人に読んでもらうといいと思います。
【試験概要】
- 試験時間:1時間20分
- 出題形式:課題式(2題中1題選択解答)
- 文字数:1,000字以上1,500字程度
- 出題内容:社会事象への関心、思考力、論理性等を問う
【時間配分】
問題を選び、文章の構成を組むための時間のみを決めていました。また、手書きなので意外と時間がかかります。対策の段階から、手書きで練習しておくとよいと思います。
■面接対策
受験した自治体では、一次試験合格後、面接カードが送付されました。
面接カードの内容は、以下の3点でした。
①今後どのような仕事に挑戦したいか、自分の特徴や当該自治体への志望動機を含めて具体的に書く。
②今までに最も難しい目標にチャレンジし、困難な状況を乗り越えた経験。
③チームで1つのことに取り組んだ経験について、その際の自分の役割と独自の考えやアイデアでチームに貢献したこと。
①に関しては、面接の冒頭で3分間プレゼンテーションを行うことになっていたので、そのための台本を作ってから内容を集約し、面接カードに記入しました。プレゼンテーションは、時間内にしっかり話せるように、時間を計って、くり返し練習をしました。
②③に関しては、面接で掘り下げて聞かれるため、書いた内容について整合性が取れているか、そのときの状況を明確に思い出せるかなど、自分の頭の中で整理して覚えておくようにしました。
■面接本番
面接官は3名で、面接官1人につき10分ずつ質問されました。質問の多くは面接カードからの内容でしたが、まったく関係のない質問(オリンピックについて、自分の今日の面接に点数をつけるなら何点だと思うか 等)もありました。
面接中に心がけていたことは、この3点です。
①面接官3人に対して、交互に視線を向けて話すこと。
②表情を明るくすること。
③できるだけ自然体で振る舞うこと。