これから地域看護実習を受けるみなさんは、「実習では何を学べばいいの?」「事前学習はどうすればいいの?」と不安でいっぱいかもしれません。
 実習は貴重な機会ですので、少しでも有意義なものにしてもらいたいと思います。
 本記事では、地域看護学実習を終えた先輩に、実習のお話をうかがいました。保健師の仕事をイメージしながら、あなたの実習の参考にしてくださいね!

先輩 Mさんの場合  地域看護実習のお話をうかがいました!

Mさん顔イラスト

  
■実習の概要と参加した事業について教えてください。

 私は某保健サービスセンターで4週間実習を行いました。

 実習時間は8:30~17:00で、午前と午後に1つずつ、
成人・母子・精神などの住民向けの事業や家庭訪問
が入っていました。

 空き時間は、地域アセスメントや記録の整理、自己学習に充てていました。

 事業や家庭訪問では基本的に保健師さんに付いて回り、見学が多かったのですが、実習後半では、乳児健診で問診をとったり、1歳未満の母子対象の「赤ちゃんの熱中症対策」について10分間の健康教育を行ったりもしました。

  
■実習でみえた保健師の役割について教えてください。

 実習の間に、5件の家庭訪問に同行させていただきました。

 保健師の介入進度がケースによってさまざまであり、
普段から、住民や他機関・他職種との信頼関係の構築や、コミュニケーション技術を身につけておくこと
の重要性を学びました。

 進度が迅速だったのは児童虐待のケースでした。保健師は母子の生活状況の把握と、今すぐに介入すべき支援内容についてアセスメントし、関係機関や多職種に連絡をとり、実行していました。

 その際に垣間見えた保健師の、相手や状況を問わないコミュニケーション技術や、母子や他機関・他職種との信頼関係は、保健師として地域で暮らす住民を守るための重要な要素だと感じました。

 見学が多いなかで、保健師の役割が最もよく見えた場面は、各事業や健診のあとのカンファレンスや、保健師のみで行われている研究会でした。

 保健師がどのような視点で対象を捉えているのか、どのような理由で支援内容を選んでいるのかがとても勉強になりました。

 また、保健師が綿密にカンファレンスを行っている理由として、保健師1人の判断で考えや価値観が偏ってしまうことのないようにするためであることもわかりました。

 さらに、保健師が行う問診の間の数分間で母子を捉えて判断することは難しいため、問診だけでなく、その後の診察や心理相談中の様子についても医師や臨床心理士などの他職種と情報共有をしたり、経時的な母子の様子の変化や意外な一面についても随時共有し、記録に残したりしていました。

 そのような少ない機会のなかから事実を積み上げていくことで、母子の生活状況や人柄などをアセスメントしていることがわかりました

  
■主体的に実習に臨むコツはありますか?

 私が実習生として意識していたことが2つあります。

 1つ目は、実習態度が受け身にならないように心がけることです。実習内容はさまざまな事業に行くことができてもほとんどは見学だったので、疑問に思ったことは、その日のうちに保健師に質問し、自分で考えるための機会を設けていました

 2つ目は、俯瞰的に保健師の動きや活動を理解することです。たとえば、ただカンファレンスを聞いているだけだと、事例内容を理解することばかりに必死になり、保健師が何を考え、何をしているのかがなかなか見えてきません。
 事業の流れや、事業同士の繋がり、その事業がその地域において開催されるようになった経緯などを理解し、そのなかで動いている保健師の役割を自分なりに考えるようにすることで、見えにくい行政保健師の活動や役割が徐々に見えてくるようになりました。

 実習は辛いこと・きついことの方が多く、地域アセスメントや健康教育など、事前準備や日々の記録は大変でしたが、自分の保健師としての将来を具体的に考えられるのが実習のよさではないかと思いました。

  
■これから実習に行くみなさんに、メッセージをお願いします!

 保健師の仕事は目立つものではなく、世間でもあまり知られていない職業ですが、実際に間近で知ると、保健師の知識量の多さや、1人ひとりのさまざまな保健師技術を見ることができ、最終的には地域に確実に貢献できる素敵な仕事だと改めて実感しました。

 これから地域看護学実習に行かれる方は、ぜひ楽しみにして臨んでほしいと思います。