教えてマメくん!看護過程の展開で役立つ関連図ってどんなもの?
実習の記録や看護過程の事例演習において、学生を悩ませることが多い「関連図」。
関連図には病態や看護を書いたもの、患者さんの情報から看護問題を矢印でつないだものなどいろいろな関連図がありますが、看護過程を展開するときに役立つ関連図ってどんなものでしょうか?
看護過程でどんな関連図を書いたらいいかわからない看護学生さんのお悩みに、『看護がみえる』シリーズでおなじみのマメくんが答えます!
関連図って何?何のために書くの?の記事はこちら
登場人物
マメくん
看護学生
看護過程の展開で、考えを整理したくなるときって?
複雑でまとまりにくい思考を整理するために関連図を書こう!


『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.104より抜粋
「アセスメント項目」を知りたい方はコチラ
ゴードンの11の機能的健康パターンの「アセスメントの視点」と「アセスメント項目」
アセスメントの枠組み項目 | アセスメントの視点 | より具体的なアセスメントの視点 ※赤字はアセスメント項目 |
1.健康知覚-健康管理 | 健康知覚(健康に関する認識)は適切か | これまでの健康に関する認識は適切か |
現在の健康に関する認識は適切か | ||
健康管理は適切か | 健康管理状況は適切か | |
安全対策は適切か | ||
2.栄養-代謝 | 栄養摂取は適切か | 食習慣は適切か |
栄養摂取量は適切か | ||
水分摂取量は適切か | ||
摂食・嚥下の状態は適切か | ||
身体各部での栄養の利用(代謝)は適切か | 栄養状態は適切か | |
皮膚状態は適切か | ||
免疫状態は適切か | ||
3.排泄 | 便の排泄は適切か | 排便習慣は適切か |
排便の状態は適切か | ||
尿の排泄は適切か | 排尿習慣は適切か | |
排尿の状態は適切か | ||
汗の排泄は適切か | 汗の状態は適切か | |
4.活動-運動 | 身体活動は適切か | 身体活動状況は適切か |
活動耐性は適切か | ||
運動習慣は適切か | ||
日常生活活動(ADL)は自立しているか | ADLは自立しているか | |
余暇活動は適切か | 余暇活動は適切か | |
5.睡眠-休息 | 睡眠・休息・リラクゼーションは適切か | 睡眠習慣・状態は適切か |
休息・リラクゼーションは適切か | ||
6.認知-知覚 | 感覚機能は適切か | 感覚機能は適切か |
認知機能は適切か | 記憶力・注意力は適切か | |
言葉の理解と表現は適切か | ||
意思決定はできるのか | ||
学習能力・知識は適切か | ||
不快症状はどうか | 疼痛はどうか | |
その他の不快症状はどうか | ||
7.自己知覚-自己概念 | 自己概念はどうか | アイデンティティはどうか |
ボディイメージはどうか | ||
自尊感情はどうか | 自尊感情はどうか | |
感情の状態はどうか | 感情の状態はどうか | |
8.役割-関係 | 適切に他者との関係を築けるか | 適切に他者との関係を築けるか |
疾病・治療による役割への影響はどうか | 家庭での役割と関係は適切か | |
職場での役割と関係は適切か | ||
地域での役割と関係は適切か | ||
9.セクシュアリティ-生殖 | 生殖機能・セクシュアリティはどうか | 生殖機能の状態はどうか |
セクシュアリティはどうか | ||
10.コーピング-ストレス耐性 | ストレスとストレス耐性の関係はどうか | ストレスとストレス耐性の関係はどうか |
コーピングは適切か | コーピング方法は適切か | |
サポートシステムは適切か | ||
11.価値-信念 | 価値観・信念は守られているか | 価値観・信念は守られているか |
※参考文献
『看護診断-その過程と実践への応用 原著第3版』(1998、医歯薬出版)
『ヘンダーソン・ゴードンの考えに基づく 実践看護アセスメント 第3版』(2011、ヌーヴェルヒロカワ)
※書籍『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』と表記を合わせるため一部変更(2020.08.24)

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.107より抜粋

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.107より抜粋
「患者さんの状態」の関連性を把握する関連図を書くメリットは?

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』p.108, 109より抜粋
「今日のおさらい」
☑ アセスメントの思考を整理するために役立つ関連図は、アセスメント項目ごとの「患者さんの状態(人間の反応)」の関連性を書いた関連図
☑ この関連図を書くと、患者さん全体を俯瞰して、それぞれの「患者さんの状態(人間の反応)」の関連性を把握できる
☑ 問題同士の関連性を把握できると、看護介入にも生かせる
『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』で掲載している関連図
『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』では、看護過程を展開するうえで、アセスメントにおいて、思考を整理するためのツールとして「人間の反応」の関連図を掲載しています。この関連図は、上記の会話に出てくるように、アセスメント項目ごとの「患者さんの状態(人間の反応)」の分析結果の関連性を把握するためのものであり、一般的な関連図にあるような病態や看護は書かれていません。また、事例(①胸腔ドレナージ中の自然気胸患者、②ストーマを造設する直腸癌患者)においては、アセスメントに必要な知識として、病態と治療・合併症を理解するための関連図を掲載しています。
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