A.看護計画に沿って、実際に看護介入を行います。実施内容が適切かどうか常に確認し、患者さんの安全・安楽を確保することが重要です。

「看護介入の実施」は看護過程の6ステップのひとつで、看護計画に沿って実際に介入を行う段階です。一見とてもシンプルですが、常に変化する患者さんに対応し、安全・安楽を確保するために、様々な技術や思考が求められる段階です。また、どんなに素晴らしい計画を立てていても、適切に実施できなければ患者さんにメリットはありません。「看護介入の実施」は、看護過程のなかで看護師が患者さんに直接の影響を与えられる唯一の段階なのです。

看護介入の実施は、複雑な思考を伴う行動

『看護がみえるvol.4看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、看護介入の実施を「実施前」「実施中」「実施後」という時系列で分け、それぞれの思考と行動について詳しく解説しています。その全体像を示したのが次の表(図1)です。


図1(看みえ④p.150より)

表の左半分は看護師の思考で、右半分は行動です。実施というと身体を動かすイメージが強く、もちろん看護技術も重要ですが、これだけの思考が伴っています。看みえ④では、実施(記録・報告を含む)に伴う思考や行動の留意点をメインに解説しています。看護技術については、『看護がみえるvol.1 基礎看護技術』『看護がみえるvol.2 臨床看護技術』『看護がみえるvol.3 フィジカルアセスメント』を参考にしてみてください。

ここからは、実施前・実施中・実施後の思考と行動のポイントを紹介します。

看護介入実施前:患者さんのベッドサイドに行く前に確認すべきこと

患者さんのベッドサイドに行く前に、カルテや申し送りの内容を確認し、しっかり情報収集しておきましょう。その後、実際に患者さんの様子を見て、必要ならば看護計画を修正します。「急に検査が入った」「昨夜から発熱がある」など、様々な理由で計画を修正したり、実施を中止したりする場合があります。また、看護診断(看護問題)の優先順位も再検討する必要があります。特に急性期の患者さんは変化が速いため、前日までの計画が大幅に変わることもあります。

看護介入実施中:常に患者さんを観察し、安全・安楽を確保しよう

実施の内容や根拠などを確認し、患者さんの同意を得て、準備を整えたら実施します。O-PだけでなくC-PやE-Pを実施する際も、常に患者さんを観察し、介入が適切かどうか確認しましょう。適切な介入ができないときは無理に続けてはいけません。患者さんの安全を守ることが最も重要です。また、安楽やプライバシーにも配慮しましょう。

看護介入実施後:実施を振り返って評価し、記録・報告しよう

実施が終わり、ベッドサイドの環境整備や物品の片付けが終わったら、実施内容を振り返って評価します。実施前から実施終了時までの観察で得た情報をもとに、「患者さんはどう変化したか」「介入は適切だったか」「今後どのように介入していくか」などを明確にします。この思考については、看護過程の次のステップである「評価」で詳しく解説しています。

実施後は、記録・報告を行ってチームで情報を共有し、指導や助言を受けましょう。記録はSOAP形式の看護記録が基本ですが、学校や施設ごとの様式に従います。看みえ④では、SOAP形式の記録方法と、報告の流れと留意点について解説しています。

関連するQ&A

看護過程における「評価」で行うことは何ですか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●実施前の確認と判断→p.152
●実施前の看護計画の修正(具体例あり)→p.152
●看護診断(看護問題)の優先順位の見直し(具体例あり)→p.153
●O-P、C-P、E-Pそれぞれの介入の手順→p.154
●看護介入の実施における留意点→p.151
●SOAP形式の看護記録の書き方→p.155
●SOAP形式の看護記録の注意点(良い例と悪い例)→p.156
●報告の流れと留意点→p.157
●実施後に行う「評価」では何を考えればいいのか?→p.158
 

 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30