A.NANDA-I看護診断の内容を理解し、正しくアセスメントしていれば、ほとんどの場合いずれかの看護診断に当てはまるはずです。

看護診断が見つからない場合の確認ポイント

アセスメントで看護問題を把握したけれど、NANDA-I看護診断と照合しても看護診断が見つからない場合、次の点を確認してみましょう。

データに誤りはないか?
看護問題となる「人間の反応」、根拠となる情報、原因・誘因や危険因子を正しく把握しているか?
看護師が独自に介入することで解決あるいは軽減できる問題か?
問題と関連がありそうな看護診断の候補を見落としていないか?
NANDA-I看護診断の要素(看護診断名、定義、診断指標、関連因子、危険因子など)や分類法を正しく理解できているか?

これらを確認して改善すれば、当てはまる看護診断が見つかることがほとんどです。あるいは、そもそも看護問題ではなかったという場合もあるでしょう。つまり、NANDA-I看護診断の内容を理解したうえで正しくアセスメントすれば、基本的には既存の看護診断と照合できると考えられます。

どうしても照合できなければ看護問題として要素を明確にしよう

しかし、NANDA-I看護診断は今日も開発中であり、変化し続けています。現時点で全ての看護問題を網羅しているとは言い切れない部分もあります。
どうしても照合できない場合は、次の点を明確にして看護問題として挙げましょう。

問題となる「人間の反応」は何か。
→看護診断の診断名・定義に相当する。
その「人間の反応」が起きているという根拠は何か。
→看護診断の診断指標に相当する。
問題の原因・誘因あるいは危険因子は何か。
→看護診断の関連因子あるいは危険因子に相当する。

これらを明確にすれば次の目標・成果・成果指標の設定のステップに進むことができます。『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』では、2つのコラム「看護診断を使わない場合の目標・成果・成果指標の設定」「看護診断を使わない場合の看護計画の立案」が参考になります。

関連するQ&A

看護過程における「看護診断」のステップで行うことは何ですか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●看護問題と看護診断の照合について詳しく知りたい→p.127
●アセスメントとNANDA-I看護診断のつながりを知りたい→p.116
●NANDA-I看護診断の診断指標、関連因子、危険因子とは何か?→p.118~p.121
●どのような健康上の問題が看護問題になるのか?→p.114
●看護診断を使わない場合の目標・成果・成果指標の設定→p.137
●看護診断を使わない場合の看護計画の立案→p.139

 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30