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Q.看護過程における「看護診断」のステップで行うことは何ですか?

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Q.看護過程における「看護診断」のステップで行うことは何ですか?
『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』Q&A
2020.06.29

A.アセスメントで把握した看護問題をNANDA-I看護診断と照合して、患者さんの看護診断を明確にします。

看護過程における看護診断の位置付け

「看護診断」は、看護過程の6ステップのひとつで、アセスメントに続く段階です。「看護問題を明確にすること」という意味で使われる場合もありますが、『看護がみえるvol.4 看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、看護問題とNANDA-I看護診断を照合するステップとして位置付けています。

アセスメントと看護診断は明確に対応している

アセスメントで看護問題を把握したのに、どうしてわざわざNANDA-I看護診断と照合するのかと疑問に思う人も多いでしょう。また、NANDA-Iの「問題焦点型看護診断」「関連因子」などの用語がわかりにくくて苦手だと感じる人もいます。しかし実際には、アセスメントとNANDA-I看護診断は密接につながっており、難解に思える用語もアセスメントで明確にした「人間の反応」や「原因・誘因、強み、なりゆき」と対応させれば必ず理解できます。次の図1は、看みえ④でアセスメントとNANDA-I看護診断のつながりを簡潔に示したものです。

図1(看みえ④p.116より)

このように、アセスメントで明らかにした看護問題と、NANDA-Iで示される看護診断は明確に対応しています。どちらも患者さんの「人間の反応」に主眼をおいて考えるという点で共通しているからです。ここに、アセスメントで明らかにした「人間の反応」の原因・誘因、危険因子、解釈の根拠となった情報などを加えると、次の図2のように対応しています。

図2(看みえ④p.127より)

この照合を行って看護診断を明確にするのが、「看護診断」のステップで行うことの中心です。看護診断が明確になれば、記述してチームで情報を共有したり、優先順位を定めたりすることができます。

看護問題をNANDA-I看護診断と照合する意義

なぜNANDA-I看護診断と照合するのかというと、次のような意義があるからです。

●エビデンスによって裏付けられた看護診断によってアセスメントの妥当性を確認できる。例えば、アセスメントで実在型問題を明らかにした場合、NANDA-I看護診断において定義や診断指標、関連因子が当てはまる問題焦点型看護診断があれば、アセスメントの妥当性が高まる。
●NANDA-I看護診断の用語がチームの共通用語となり、一貫した看護を行うことができる。また、患者さんや家族とも問題を共有しやすくなる。
●看護診断名・定義、診断指標、関連因子、危険因子という要素から、患者さんの目標・成果や看護計画を導くことができる。

このように多くの利点があるため、看みえ④ではNANDA-I看護診断を用いた看護過程の展開を紹介しています。

ゴードンやカルペニートの看護診断は使わないのか?

「ゴードンの看護診断」や「カルペニートの看護診断」を聞いたことがある人は、なぜNANDA-I看護診断を特別視するのかと疑問に思うかもしれません。また、ゴードンやカルペニートの看護診断は、NANDA-I看護診断とは全くの別物と思われがちです。

しかし実際には、NANDA-I看護診断が全てのルーツであり、そこに独自の解釈や診断名を追加したものがゴードンやカルペニートの看護診断です。さらに、NANDA-I看護診断は今日も改訂が続けられており、最新のエビデンスに基づいています。そのため、ゴードンやカルペニートの看護診断は、最新版のNANDA-I看護診断が発表された後でそれに対応することになり、最新のエビデンス反映が少し遅れます。

このような理由から、ゴードンやカルペニートの看護診断の根幹となっているNANDA-I看護診断の使用を推奨しています。

関連するQ&A

看護問題をNANDA-I看護診断と照合しても、当てはまる看護診断がない場合はどうしたらいいですか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●アセスメントと看護診断のつながりについて詳しく知りたい→p.116
●看護診断を行う意義は?→p.116
●NANDA-I看護診断の分類法や看護診断の種類、構成要素など→p.117~p.125
●看護診断のステップで行うこと(照合、記述、優先順位の決定など)→p.126~p.129


 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30

 

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Q.看護過程における「看護診断」のステップで行うことは何ですか?

『看護がみえるvol.4 看護過程の展開』Q&A
2020.06.29

A.アセスメントで把握した看護問題をNANDA-I看護診断と照合して、患者さんの看護診断を明確にします。

看護過程における看護診断の位置付け

「看護診断」は、看護過程の6ステップのひとつで、アセスメントに続く段階です。「看護問題を明確にすること」という意味で使われる場合もありますが、『看護がみえるvol.4 看護過程の展開(以下、看みえ④)』では、看護問題とNANDA-I看護診断を照合するステップとして位置付けています。

アセスメントと看護診断は明確に対応している

アセスメントで看護問題を把握したのに、どうしてわざわざNANDA-I看護診断と照合するのかと疑問に思う人も多いでしょう。また、NANDA-Iの「問題焦点型看護診断」「関連因子」などの用語がわかりにくくて苦手だと感じる人もいます。しかし実際には、アセスメントとNANDA-I看護診断は密接につながっており、難解に思える用語もアセスメントで明確にした「人間の反応」や「原因・誘因、強み、なりゆき」と対応させれば必ず理解できます。次の図1は、看みえ④でアセスメントとNANDA-I看護診断のつながりを簡潔に示したものです。

図1(看みえ④p.116より)

このように、アセスメントで明らかにした看護問題と、NANDA-Iで示される看護診断は明確に対応しています。どちらも患者さんの「人間の反応」に主眼をおいて考えるという点で共通しているからです。ここに、アセスメントで明らかにした「人間の反応」の原因・誘因、危険因子、解釈の根拠となった情報などを加えると、次の図2のように対応しています。

図2(看みえ④p.127より)

この照合を行って看護診断を明確にするのが、「看護診断」のステップで行うことの中心です。看護診断が明確になれば、記述してチームで情報を共有したり、優先順位を定めたりすることができます。

看護問題をNANDA-I看護診断と照合する意義

なぜNANDA-I看護診断と照合するのかというと、次のような意義があるからです。

●エビデンスによって裏付けられた看護診断によってアセスメントの妥当性を確認できる。例えば、アセスメントで実在型問題を明らかにした場合、NANDA-I看護診断において定義や診断指標、関連因子が当てはまる問題焦点型看護診断があれば、アセスメントの妥当性が高まる。
●NANDA-I看護診断の用語がチームの共通用語となり、一貫した看護を行うことができる。また、患者さんや家族とも問題を共有しやすくなる。
●看護診断名・定義、診断指標、関連因子、危険因子という要素から、患者さんの目標・成果や看護計画を導くことができる。

このように多くの利点があるため、看みえ④ではNANDA-I看護診断を用いた看護過程の展開を紹介しています。

ゴードンやカルペニートの看護診断は使わないのか?

「ゴードンの看護診断」や「カルペニートの看護診断」を聞いたことがある人は、なぜNANDA-I看護診断を特別視するのかと疑問に思うかもしれません。また、ゴードンやカルペニートの看護診断は、NANDA-I看護診断とは全くの別物と思われがちです。

しかし実際には、NANDA-I看護診断が全てのルーツであり、そこに独自の解釈や診断名を追加したものがゴードンやカルペニートの看護診断です。さらに、NANDA-I看護診断は今日も改訂が続けられており、最新のエビデンスに基づいています。そのため、ゴードンやカルペニートの看護診断は、最新版のNANDA-I看護診断が発表された後でそれに対応することになり、最新のエビデンス反映が少し遅れます。

このような理由から、ゴードンやカルペニートの看護診断の根幹となっているNANDA-I看護診断の使用を推奨しています。

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看護問題をNANDA-I看護診断と照合しても、当てはまる看護診断がない場合はどうしたらいいですか?

『看護がみえるvol.4』参照ページ

●アセスメントと看護診断のつながりについて詳しく知りたい→p.116
●看護診断を行う意義は?→p.116
●NANDA-I看護診断の分類法や看護診断の種類、構成要素など→p.117~p.125
●看護診断のステップで行うこと(照合、記述、優先順位の決定など)→p.126~p.129


 
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看護がみえるvol.4 看護過程の展開

第1版 B5判 380頁
定価(本体3,300円+税)
ISBN 978-4-89632-801-1
発行日 2020-06-30

 

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