こんにちは、メディックメディア編集部です。
今回は誰もが苦手(?)な「滴下の合わせ方(滴下調整)」についてとりあげます!

滴下調整って難しい

「滴下調整」の演習は、もうありましたか?
上の4コマでは、看護学生さんが頭の中で滴下数を計算しようとして、混乱を極めていますね。
病棟ではどの看護師さんも神業的スピードで滴下を合わせる姿を見かけます。
でも看護師さんだって、何度も計算と滴下調整を繰り返した末にあのスピード技を習得したのです。
暗算の天才でない限り、最初は、紙や電卓できちんと計算してみましょう。

上記の設定「2000mL/日」の指示ならば、どのように滴下調整をすれば良いかやってみましょう。

まずは輸液セットの選択

点滴する際は、まず輸液の“内容”と“量”に適した輸液セットを選択する必要があります。最も頻繁に使われるのは「一般用(成人用)輸液セット」(1mL≒20滴)と、「微量用(小児用)輸液セット」(1mL≒60滴)です。

どちらの輸液セットを用いるかは、1時間あたりの輸液量により判断しましょう。1時間あたりの流量が60mLより多ければ一般用60mLより少なければ微量用を用いると滴下調整がしやすいです。

(その他、輸液セットには輸血時に用いる「輸血用セット」、輸液ポンプにセットする場合に用いる「輸液ポンプ用セット」、精密な投与量を把握したり薬剤の混注したりしやすい「定量輸液セット」などいくつか種類あります。きちんと区別して使い分けましょう)

今回の指示、「2000mL/日」ということは、1時間に何mLになるでしょうか。
24で割ってみましょう。
2000÷24=83.333333…mL
1時間あたり83.33…mL。ということは、一般用(成人用/1mL≒20滴)を用いると良さそうですね。

一分間の滴下数を計算してみよう!

滴下数の計算は、看護師国家試験でもよく問われます。
先程の計算で、「2000mL/日」だと、1時間あたり83.33…mLと出ましたね。
では一分あたりは何mLになるでしょうか?

1時間=60分なので、1時間あたり83.33…mLということは、60分あたり83.33…mLですね。つまり、83.33…mLを60で割ると1分あたりの輸液量が求められます。すなわち83.33…÷60=1.388…mL
1分あたりの輸液量は1.388…mL ですね。

さて、この一般用輸液セットは、1mL≒20滴でした。
ということは、1分あたりの滴下数は、1.388…×20で、27.77…滴ということになります。

調整しやすい秒数と滴下数を見つけよう!

1分間(60秒)に27.77…滴ということはわかりましたが、実際には「何秒に1滴」あるいは「1秒に何滴」というふうに秒針と滴下筒をにらめっこしながら滴下を調整する必要があります。

60秒あたり27.77…滴ということは、何秒に1滴落とせば良いのでしょう?

60:27.77…=X:1
X=60÷27.77…
X=2.16…
2.16秒に1滴落とせば良い、ということになりますね。


ちなみに2.16秒に1滴のスピードはこちら。


下図は『看護がみえるvol.2 臨床看護技術』「輸液」章「滴下数計算の実際」より
調整しやすい滴下速度の例”(p.85)です。

 

 

輸液については、
←『看護がみえるvol.2 臨床看護技術』のp.64〜137に詳しく掲載されています。参考にしてみてくださいね!

 


《STEP UP!》
下の例題1・2は、過去に看護師国家試験で問われた問題です。筆記用具または電卓を用意して問いてみましょう!

例題1)750mL/5時間の指示があり、20滴≒1mLの輸液セットを使用した場合、1分間の滴下数は?


例題2)体重9.6kgの患児に、小児用輸液セットを用いて体重1kg当たり1日100mLの輸液を行う。1分間の滴下数は?

 

《答え》
例題1)750mL/5時間ということは、1時間あたりは750÷5=150mLになります。さらに1分あたりにすると150÷60=2.5で、2.5mL/分になります。20滴≒1mLなので、2.5×20=50で、答えは「50滴」です。
例題2)体重1kg当たり1日100mLの指示なので、9.6×100=960で、1日当たり960mLとなります。960÷24=40で、1時間あたり40mLです。さらに1分あたりを出すには40÷60ですが、小児用輸液セットは60滴≒1mLなので、40÷60×60=40となり、答えは「40滴」です。


いかがでしたか?
医師からの指示は「1日で○○mLを4本」「8時〜16時で△mL」など様々ですが、指示通りに正確に患者に投与するのは看護師の役割です。色々な指示を想定して、計算を繰り返してみましょう。

また、正確に調整したはずの輸液でも、患者が体位を変えたり、肘を曲げたり、といったことで滴下が変わってしまうことがあります。いつの間にか血管外に漏出してしまうなんてことも。輸液中は、刺入部と滴下状態に異常が無いか、こまめに確認にいくことが大事です。

看護師免許を取得して病棟に出た後は、それなりに滴下調整するスピードが求められます。
「あなた点滴合わせるのに何分かかってるの!?」の怒号は多くの看護師が受ける洗礼ですが、「あら意外とやるじゃない」のお褒めの言葉に変えるために、練習を重ねていきましょう!
それでは今回はこのへんで!


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