今回の特集「コミュニケーション」
今回ご紹介するのは、同率第4位のコミュニケーションです。
『レビューブック2019』では基礎看護学章の12ページに記載しています!
〔総論〕
□① 患者や家族とコミュニケーションをとる際は,受容と共感の態度をもって接する.
□② 専門用語の使用は必要最小限とし,理解しやすい表現を心がける.
□③ 対象者との会話を増やすことで信頼関係が深まるとは限らない.また,言葉だけではない非言語的コミュニケーション(表情,視線,ジェスチャー,タッチングなど)も活用する.
〔方法〕
□④タッチングは,触れるタイミングや箇所などを意識して意図的に行うもので,看護師と患者の相互作用で成り立つ.患者の心理的状態で有効性が異なる.実際に行う際は,患者の価値観や社会的背景を考慮する必要がある.
□⑤ 面接技法は,身体的側面だけでなく,心理的・社会的側面に関する情報を収集してケアに活かす方法で,全人的医療を目指すコミュニケーション技術である.
□⑥ 面接の意義として,❶対象者理解のための情報収集,❷医療者ー対象者のラポールの構築,❸対象者の教育・調整・動機付けがあり,その結果,対象者の満足度も上がることがある.
□⑦ 疾病の原因,症状,経過,希望する検査や治療などについての患者自身の考え,価値観,ニーズを聞くことが重要である.
□⑧ 面接の最初では開かれた質問(open-ended question)を心がけ,次に閉じられた質問(closed-ended question)で細部を補うようにする.
❶開かれた質問…患者が症状や来院理由を自由に話せる.身体症状だけでなく,心理的・社会的情報も得られる.
例:「今日はどのようなことでいらっしゃいましたか」
❷閉じられた質問…はい/いいえで答えられるような質問のこと.病歴の不足部分を補う.
例:「吐き気はありますか」
□⑨ 話を途中で遮らずに傾聴することで対象者は話しやすくなる.具体的な方法は.以下のようである.
●沈黙…対象者が考えを整理する時間を十分にとる.
●うなずき・あいづち…表情や言葉で促すことで対象者を安心させ,会話を促進させる.
●繰り返し…「〜なのですね」等,対象者の話を一つひとつ確認し,次の話を促す.
●要約…対象者の話を手短に整理し,確認を求める.
さまざまなコミュニケーション技法が問われているが,そのなかでも受容と共感(16問中5問)や開かれた質問・閉じられた質問(16問中4問)についてよく問われている.また,コミュニケーションにおけるラポールを意味するものについて問われている(16問中2問).
他の国試分析については、『クエスチョン・バンク2019』を確認しましょう!
第1問(第100回午後38)
コミュニケーションにおけるラポールはどれか.
1.問題の本質の把握
2.言語を用いない表現
3.信頼し合う人間関係
4.侵されたくない個人の空間
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』(QB-基12)でチェックしましょう!!
第2問(第101回午後85)
閉じた質問(closed question)はどれか.2つ選べ.
1.「乳癌と告げられたとき,どのように思いましたか」
2.「ご家族に高血圧症の方はいらっしゃいますか」
3.「何時に食事を摂りましたか」
4.「どのようにつらいのですか」
5.「退院後は何をしたいですか」
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』(QB-基13)でチェックしましょう!!
次回予告!!
次回は第3位の「糖尿病」をご紹介します。
ご期待ください!