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【第108回看護師国家試験】国試によくでるレビューブックコードTOP10 第5位「統合失調症」

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【第108回看護師国家試験】国試によくでるレビューブックコードTOP10 第5位「統合失調症」
国試対策
2018.11.30

今回の特集「統合失調症」

*国試によくでるレビューブックコードTOP10*シリーズ

看護師国家試験で特によく出題されるレビューブックコードに焦点をあてて、覚えるべき事項をまとめた連載です♪
同率第5位から順に、よく出題される事項について紹介していきます。

今回ご紹介するのは、同率第5位の「統合失調症」です。『レビューブック2019』では精神看護学章の31ページに記載しています!

近年、精神科における入院患者は、半数近くが統合失調症および関連障害であり、これに伴い国試での出題率も群を抜いて高くなっています。

統合失調症では5年以上の長期入院となるケースが多く、臨床現場では数十年単位で入院している高齢患者もみられるため、
精神科の実習で見かけたり、実際に受け持ちを担当した方も多いと思います。
状況設定問題での出題が多いため、実際の患者さんを思い浮かべながら問題を解くのもポイントです。

koredake

〔統合失調症〕

□① 統合失調症とは,考え思考)や気持ち感情),行動をまとめ統合する能力が長期間にわたって低下し,特徴的な思考障害や行動障害が生じた病態をいう.

□② 病因は不明であるが,ドパミンの分泌異常が関与していると考えられている.

□③ 次のような特有な思考知覚感情意欲自我の障害を認める.

●思考障害:連合弛緩,滅裂思考,妄想気分,妄想知覚,妄想着想
●知覚障害:幻聴,幻視,体感幻覚[体性感覚(皮膚感覚・内臓感覚等)の幻覚.例:「おなかに虫がいる感じがする」等]
●感情障害:感情鈍麻アンビバレンス両価性),疎通性障害,無為/自閉
●意欲障害:能動性低下
●自我障害:作為体験(させられ体験.自ら動くのではなく,誰かに操られていると感じる),思考吹入(他人から考えを吹き込まれていると感じる),思考奪取(自分の考えが他人に抜き取られていると感じる),思考伝播(自分の考えが周囲に知れ渡っていると感じる),思考察知(自分の考えが他人に知られていると感じる)

□④ 連合弛緩とは,ある考えとほかの考えとの関連がわからなくなり,筋道を立てて考えることができなくなる状態である.

□⑤ アンビバレンス両価性)とは、同一の対象に対して相反する感情や意志を同時にもつことである.

□⑥ 慢性期には陽性症状よりも,社会的接触の回避,孤立・自閉的,感情鈍麻(会話をしても感情が通じ合わない)などの陰性症状が目立ってくる.

〔急性期の看護〕
□⑦ 患者の訴えをよく聴き,内容の異常があっても否定せず,その体験をしていることで患者が受けているつらさに共感し,それを受容することが大切である.

□⑧ 急性期は刺激の少ない環境下で休息できるように援助し,治療は薬物療法が主体となるため,原則として作業療法などに誘うことは控える.

□⑨ 服薬が確実にできるよう援助する.

□⑩ 拒薬があった場合には,患者の薬に対する思いを聴く.説明や時間をおいての促しにも応じないときは,医師にも相談する.

□⑪ 患者は自身の飲食,排泄,身体の状態などに注意を向けなくなることも多いため,水分出納バランスや全身状態の観察を十分に行う必要がある.

□⑫ 興奮状態にある患者の看護では,患者を刺激から遠ざけ,自傷・他害に注意する.複数のスタッフで対応する.

〔退院時の看護〕
□⑭ 退院の見通しや退院後どのように生活していくかは本人,家族,医師,看護師,精神保健福祉士などと話し合いながら決めていく.必要により精神科デイケアなどの情報も提供していく.

□⑮ 再燃予防のため,服薬を自己管理できるよう服薬コンプライアンスアドヒアランスを高める支援を行う.

□⑯ 患者の日常生活を把握し,症状の観察や服薬支援につなげるために精神科訪問看護を導入することもある.
 

kokubun

●状況設定問題にてほぼ毎年出題されている。医療的・心理的ケアの出題が多く、そのなかでも服薬指導や拒薬への対応(15問中7問)について問うものが目立つ。退院支援や社会資源と絡めた問題も非常に多く(15問中8問)、関連知識を整理しておく必要がある。
他の国試分析については、『クエスチョン・バンク2019』の精-2ページを確認しましょう!

kokushi
 

第1問(第100回午前77番)

女性患者のAさんは統合失調症で入院した.Aさんは,「この薬を飲むと舌がピリピリする.薬で私を殺そうとしているんでしょ」と険しい表情で言い,服薬を拒否している.
Aさんへの対応で適切なのはどれか.

1.作為体験
2.感情鈍麻
3.滅裂思考
4.被害妄想

 
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』の精-30ページでチェックしましょう!!

第2問(状況設定問題、第102回午前103~105)

Aさん(40歳,女性)は統合失調症で入院歴があり,退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた.1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり,夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため,職員に付き添われて精神科病院を受診した.診察時は,Aさんは意味不明の言葉を発し,時々興奮したように大声で叫んだ.また,診察室から飛び出したり,衣服を脱いだりする行為も観察された.

〔103〕入院を開始するために必要な情報で優先度が高いのはどれか.

1.保護者の有無
2.前回の入院形態
3.自立支援給付の受給状況
4.精神障害者保健福祉手帳の取得状況

〔104〕診察の結果,Aさんは入院することになり,外来看護師に付き添われて閉鎖病棟に来た.病棟の入り口でドアを開けた看護師が優先的に行うのはどれか.

1.持参した薬を確認する.
2.病棟のホールに誘導する.
3.他の病棟スタッフに協力を要請する.
4.入院のオリエンテーションを実施する.

〔105〕入院後2週,症状が安定して,意思の疎通も良好となり,興奮もみられなくなった.入院後1か月にはADLもほぼ自立していた.
入院後1か月のAさんへの看護で適切なのはどれか.2つ選べ.

1.長期間の入院が必要であると説明する.
2.退院して家族と同居することを検討する.
3.入居していたグループホームと連絡を取る.
4.警察にAさんの退院予定日を知らせておく.
5.服薬の自己管理を開始するためのアセスメントを行う.

 
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』の精-42でチェックしましょう!

次回予告!!

次回は同率TOP5の「産褥の経過」をご紹介します。

ご期待ください!

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国試対策
2018.11.30

今回の特集「統合失調症」

*国試によくでるレビューブックコードTOP10*シリーズ

看護師国家試験で特によく出題されるレビューブックコードに焦点をあてて、覚えるべき事項をまとめた連載です♪
同率第5位から順に、よく出題される事項について紹介していきます。

今回ご紹介するのは、同率第5位の「統合失調症」です。『レビューブック2019』では精神看護学章の31ページに記載しています!

近年、精神科における入院患者は、半数近くが統合失調症および関連障害であり、これに伴い国試での出題率も群を抜いて高くなっています。

統合失調症では5年以上の長期入院となるケースが多く、臨床現場では数十年単位で入院している高齢患者もみられるため、
精神科の実習で見かけたり、実際に受け持ちを担当した方も多いと思います。
状況設定問題での出題が多いため、実際の患者さんを思い浮かべながら問題を解くのもポイントです。

koredake

〔統合失調症〕

□① 統合失調症とは,考え思考)や気持ち感情),行動をまとめ統合する能力が長期間にわたって低下し,特徴的な思考障害や行動障害が生じた病態をいう.

□② 病因は不明であるが,ドパミンの分泌異常が関与していると考えられている.

□③ 次のような特有な思考知覚感情意欲自我の障害を認める.

●思考障害:連合弛緩,滅裂思考,妄想気分,妄想知覚,妄想着想
●知覚障害:幻聴,幻視,体感幻覚[体性感覚(皮膚感覚・内臓感覚等)の幻覚.例:「おなかに虫がいる感じがする」等]
●感情障害:感情鈍麻アンビバレンス両価性),疎通性障害,無為/自閉
●意欲障害:能動性低下
●自我障害:作為体験(させられ体験.自ら動くのではなく,誰かに操られていると感じる),思考吹入(他人から考えを吹き込まれていると感じる),思考奪取(自分の考えが他人に抜き取られていると感じる),思考伝播(自分の考えが周囲に知れ渡っていると感じる),思考察知(自分の考えが他人に知られていると感じる)

□④ 連合弛緩とは,ある考えとほかの考えとの関連がわからなくなり,筋道を立てて考えることができなくなる状態である.

□⑤ アンビバレンス両価性)とは、同一の対象に対して相反する感情や意志を同時にもつことである.

□⑥ 慢性期には陽性症状よりも,社会的接触の回避,孤立・自閉的,感情鈍麻(会話をしても感情が通じ合わない)などの陰性症状が目立ってくる.

〔急性期の看護〕
□⑦ 患者の訴えをよく聴き,内容の異常があっても否定せず,その体験をしていることで患者が受けているつらさに共感し,それを受容することが大切である.

□⑧ 急性期は刺激の少ない環境下で休息できるように援助し,治療は薬物療法が主体となるため,原則として作業療法などに誘うことは控える.

□⑨ 服薬が確実にできるよう援助する.

□⑩ 拒薬があった場合には,患者の薬に対する思いを聴く.説明や時間をおいての促しにも応じないときは,医師にも相談する.

□⑪ 患者は自身の飲食,排泄,身体の状態などに注意を向けなくなることも多いため,水分出納バランスや全身状態の観察を十分に行う必要がある.

□⑫ 興奮状態にある患者の看護では,患者を刺激から遠ざけ,自傷・他害に注意する.複数のスタッフで対応する.

〔退院時の看護〕
□⑭ 退院の見通しや退院後どのように生活していくかは本人,家族,医師,看護師,精神保健福祉士などと話し合いながら決めていく.必要により精神科デイケアなどの情報も提供していく.

□⑮ 再燃予防のため,服薬を自己管理できるよう服薬コンプライアンスアドヒアランスを高める支援を行う.

□⑯ 患者の日常生活を把握し,症状の観察や服薬支援につなげるために精神科訪問看護を導入することもある.
 

kokubun

●状況設定問題にてほぼ毎年出題されている。医療的・心理的ケアの出題が多く、そのなかでも服薬指導や拒薬への対応(15問中7問)について問うものが目立つ。退院支援や社会資源と絡めた問題も非常に多く(15問中8問)、関連知識を整理しておく必要がある。
他の国試分析については、『クエスチョン・バンク2019』の精-2ページを確認しましょう!

kokushi
 

第1問(第100回午前77番)

女性患者のAさんは統合失調症で入院した.Aさんは,「この薬を飲むと舌がピリピリする.薬で私を殺そうとしているんでしょ」と険しい表情で言い,服薬を拒否している.
Aさんへの対応で適切なのはどれか.

1.作為体験
2.感情鈍麻
3.滅裂思考
4.被害妄想

 
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第2問(状況設定問題、第102回午前103~105)

Aさん(40歳,女性)は統合失調症で入院歴があり,退院後は共同生活援助(グループホーム)を利用していた.1週前から同じグループホームに住む女性と口論したり,夜中にグループホームから飛び出したりするようになったため,職員に付き添われて精神科病院を受診した.診察時は,Aさんは意味不明の言葉を発し,時々興奮したように大声で叫んだ.また,診察室から飛び出したり,衣服を脱いだりする行為も観察された.

〔103〕入院を開始するために必要な情報で優先度が高いのはどれか.

1.保護者の有無
2.前回の入院形態
3.自立支援給付の受給状況
4.精神障害者保健福祉手帳の取得状況

〔104〕診察の結果,Aさんは入院することになり,外来看護師に付き添われて閉鎖病棟に来た.病棟の入り口でドアを開けた看護師が優先的に行うのはどれか.

1.持参した薬を確認する.
2.病棟のホールに誘導する.
3.他の病棟スタッフに協力を要請する.
4.入院のオリエンテーションを実施する.

〔105〕入院後2週,症状が安定して,意思の疎通も良好となり,興奮もみられなくなった.入院後1か月にはADLもほぼ自立していた.
入院後1か月のAさんへの看護で適切なのはどれか.2つ選べ.

1.長期間の入院が必要であると説明する.
2.退院して家族と同居することを検討する.
3.入居していたグループホームと連絡を取る.
4.警察にAさんの退院予定日を知らせておく.
5.服薬の自己管理を開始するためのアセスメントを行う.

 
詳しい解説や基本事項などの知識は『クエスチョン・バンク2019』の精-42でチェックしましょう!

次回予告!!

次回は同率TOP5の「産褥の経過」をご紹介します。

ご期待ください!

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