看護師国試は、各出題分野から均等に出題されるわけではありません。240問中30問以上出題される分野もあれば、1問も出ない分野もあります。つまり、出題されやすい分野(高配点の分野)を把握して対策を練ることが、効率的な国試対策の進め方なのです。
では、実際によく出題される分野・テーマは何なのか、第99~107回の国試分析結果をもとにみてみましょう。(各分野の正式名称は、下の表をご参照ください)

はじめに

各グラフに記載している分野名は、小社書籍『看護師・看護学生のためのレビューブック』の26分野に準拠しています。

 

必修問題の分野別出題数

●第107回国試において「基礎看護学」と「健康支援と社会保障制度」の分野は全体の約50%を占める圧倒的な配点を示しています。
●多少のブレはありますが、過去平均と比較しても出題傾向はほぼ変わっておりません。
 

必修において最も重要な分野は、「基礎看護学」「健康支援と社会保障制度」だということが顕著に現れていますね。次に、それらの分野のなかでは何がよく問われているのか詳しく見てみましょう。

 

「基礎看護学」と「健康支援と社会保障制度」の頻出テーマランキング

過去10回(出題基準が大きく変更された第99回から第107回、第103回追試を含む)の必修問題における頻出テーマ・出題数のランキングです。

基礎看護学

順位 テーマ(RBコード※) 出題数
1位 輸液 7問
1位 医の倫理/看護の倫理 7問
1位 酸素療法 7問
4位 吸引 6問
4位 罨法 6問
4位 マズローの欲求段階説 6問
4位 浣腸 6問
8位 注射(皮内・皮下・筋肉内・静脈内) 5問
8位 コミュニケーション 5問
8位 経腸栄養療法(経鼻経管/胃瘻・腸瘻) 5問
8位 採血 5問
8位 褥瘡 5問

※RBコードは、メディックメディア独自の国試分析基準で、 レビューブック(RB)の目次と対応しています。

健康支援と社会保障制度

順位 テーマ(RBコード) 出題数
1位 介護保険制度の概要 10問
2位 保健師助産師看護師法 8問
3位 医療保険制度の概要 7問
4位 国民健康・栄養調査 6問
5位 人口構成 5問
5位 世帯構造 5問
5位 死因/死因別死亡統計 5問
5位 平均寿命 5問
5位 医療法 5問

 

一般・状況設定問題の分野別出題数

●第107回国試において「基礎看護学」「精神看護学」「健康支援と社会保障制度」「成人看護学」「母性看護学」「脳・神経疾患」の順で配点が高くなっております。
●第107回では、頻出分野のうち、いくつかの分野で出題数が半減するなどの変化はありましたが、全体的にはこれまでと大きく変わらない結果となりました(下表)。つまり、国試で出題頻度の高い分野はある程度決まっているといえます。
 

一般・状況設定問題 分野別の出題数ランキング(190問中)

第99〜106回 第107回
1位 基(17問) 基(23問)
2位 社(17問) 精(18問)
3位 精(15.3問) 社(17問)
4位 母(15.1問) 成(13問)
5位 在(13.2問) 母(13問)
6位 成(12.9問) J(12問)
7位 小(12.9問) 老(8問)
8位 J(9.6問) 統(8問)
9位 老(8.8問) P(7問)
10位 I(7.7問) C(6問)
11位 D(6.4問) D(6問)
12位 統(6.4問) 小(6問)

 
分野別の出題数ランキングをみてみると、順位は多少前後していますが、よく問われている分野はおおむね同じです。次に、それらの分野のなかでも特に問われやすいテーマをみてみましょう。
 

主な分野ごとの頻出テーマランキング

過去10回(出題基準が大きく変更された第99回から第107回、第103回追試を含む)の一般・状況設定問題における頻出分野・テーマ・出題数は以下のとおりです。過去に15問以上問われている「産褥の経過」「統合失調症」「継続看護」などをはじめ、出題頻度の高いテーマは今後も出題が予想されます。

精神看護学

順位 テーマ(RBコード) 一般問題 状況設定 合計
1位 統合失調症 3問 13問 16問
2位 精神疾患患者の家族支援 1問 13問 14問
3位 精神疾患患者とのかかわり方 8問 4問 12問
4位 アルコール依存症 2問 6問 8問
5位 うつ病 4問 3問 7問
5位 双極性障害(躁うつ病) 1問 6問 7問
7位 防衛機制 5問 1問 6問
7位 症状マネジメント 3問 3問 6問
7位 社会復帰の支援 2問 4問 6問

母性看護学

順位 テーマ(RBコード) 一般問題 状況設定 合計
1位 産褥の経過 3問 12問 15問
2位 新生児の生理 3問 9問 12問
3位 母乳栄養/授乳 4問 4問 8問
4位 新生児の看護 4問 3問 7問
4位 妊娠に伴う母体の変化 3問 4問 7問
6位 低出生体重児 4問 2問 6問
7位 妊婦の保健指導 3問 2問 5問
7位 分娩経過 3問 2問 5問
7位 分娩第1期 3問 2問 5問

在宅看護論

順位 テーマ(RBコード) 一般問題 状況設定 合計
1位 継続看護 8問 12問 20問
2位 家族看護 7問 7問 14問
3位 在宅における他職種連携 5問 7問 12問
4位 終末期の在宅療養者 3問 8問 11問
5位 訪問看護の制度 10問 0問 10問
6位 療養環境 6問 2問 8問
7位 在宅での薬物投与 3問 4問 7問
8位 排泄 3問 3問 6問

 

「頻出分野・テーマはコレだ!」のまとめ

●必修問題は、「基礎看護学」「健康支援と社会保障制度」約50%を占める。
●一般・状況設定問題でも高配点分野は例年ほぼ決まっている。
●高配点分野のなかでも、よく問われるテーマもほぼ決まっている。例えば、在宅看護論の「継続看護」は過去10回の国試で計20問も問われている。
●それらとは逆に、ほとんど出題されない分野・テーマも決まっている。また、よくでる分野だからといって、すべてのテーマが等しく出題されやすいわけではない。

結論

「教科書や出題基準を最初から最後までなぞる勉強」ではなく、出題されやすい分野・テーマを意識することで、「効率的な国試対策」が可能となる。勉強を始めたばかりの学生勉強が苦手な学生では、これらを意識して国試対策を進めることが特に必要と言える。